プログラマと管理者をつなぐ知恵
ジョエル・スポルスキ氏をご存知でしょうか?
マイクロソフトでExcelやVBAの開発マネージャーを努めた方でJoel on Software(英語)という人気ブログの著者でもあります。
そんなジョエル氏の彗眼とユーモアに飛んだ文章は、世界中から支持されています。
特にプログラミングとプロジェクト管理への洞察は、綺麗事ではない現場の知恵であり、すぐに使えるモノも多数あります。
というわけでこのページでは、ジョエル氏の著作を3冊まとめてどーんと紹介します。
Joel on Software
まずは世界中で売れた定番の一冊、ジョエル氏のエッセーやブログ記事から選りすぐった45編が載っています。
それぞれの項目は独立しているので、短時間でサクッと読めるのが嬉しいです。
中でも「氷山の秘密」という話は、私も当時同じ状況にいたので、とても感銘を受けました。
簡単に言うと、ソフトは見た目が重要、というお話です。
プログラマは機能にこだわりますが、それ以外の人々は、GUIやスクリーンショットばかり気にします。
こういったズレをしっかり踏まえ、どうやって周囲を満足させて開発を進めるか?がよく分かります。
当時ここを読んで翌日に仕事へ取り入れ、速攻効果が得られたのは良い思い出です。
また「仕様書の書き方」も必読です。
プログラマといっても上流工程に関わる事も多く、本書のノウハウはすぐに読めて&すぐに使えるので色々と助かっています。
More Joel on Software
「Joel on Software」の人気を受けて発売された待望の続編。
相変わらずのユーモアと現場の知見が満載です。
人材マネジメント、プログラマを目指す人へのアドバイス、プログラミングTIPSなど、前作同様守備範囲の広い内容になっています。
本書に限らず、ジョエル氏の著作の大きなポイントは
オタク組とスーツ組の相互理解
を助ける点です。
オタク組(プログラマ)とスーツ組(営業、管理職、顧客)が、お互いの悪口を言っている。
そんな状況に出くわした経験はないでしょうか?
私(オタク組)は双方の板挟みになり、テンパって腹痛になった事があります。
そんな事を防ぐ手立てとしても、ジョエル氏の著作を読んで欲しいと思います。
氏は優れたプログラマであり、マネージャーであり、経営者でもあります。
だからその文章には、お互いの立場を取り持ち、対立を解消するヒントが多く含まれています。
すなわち(効率向上だけでなく)チーム全体を盛り上げるノウハウにもなる、と言うことです。
そんなわけで、このシリーズはオタク組にもスーツ組にも是非オススメしたいです。
BEST SOFTWARE WRITING
ラストですが、上の二冊とは趣向が異なります。
本書は、ジョエル氏が最高の読み物を集めた書籍です。
選んだ人が選んだ人なので、予想通り?ジョエル氏に負けないフリーダムさで笑わせてくれます。
それぞれの話は長くても10ページくらいなので、空いた時間に気軽に読めてもちろん役立ちます。
ちなみに一番短いものは、わずか1ページです。
私が印象に残ったのは、ポール・グレアム氏(有名な人です)の「すごいハッカーとは」です。
(ハッカーというのは悪い意味ではなく、本来は優れた技術者を指します)
色々な面から優れたハッカーの特徴を考察し、シンプルで本質的な生き方を示しています。
私はハッカーではありませんが、生涯を通じて好奇心を持ち続けたいと強く思いました。
まとめ:真摯なユーモアを磨ける
結構な長さの文章でしたが読んで頂き、ありがとうございました。
そんな志の高いあなたに、ジョエル・スポルスキ おすすめです(なんか回し者みたいですが…)。
プログラマから管理者まで、ソフトウェアへ真摯に取り組む人なら必ず共感できます。
また、日本人に足りない(と思う)ユーモア成分も豊富です。
3冊とも真面目な内容ですが、隙あらば笑わせに来ます。
同じ情報を伝えるなら、楽しい方が良いに決まってますね。
ぜひ、笑いながら学んで欲しいと思います。