サンダーバード2号からC言語へ架ける橋
毒のある?くだけた文体で言いたい放題が炸裂する奇妙な一冊。
技術書というより読み物に近い…けどやっぱり「技術書」
みたいな独特の世界が特徴です。
著者はとても博識で、随所に歴史や文学、雑学のトリビアが出て来ます。
この関係無さそうな話を、上手くC言語と絡めて解説する文章は、一見の価値ありです。
トリビアからCのカラクリが分かる
さっき述べたように、本書では色々な分野のトリビアが登場します。
これがなかなか興味深く「へー」となります。
私は本書で「おざなり」と「なおざり」の違いを知りました。
それはさておき、この本の凄い所は、かなりC言語の解説も秀逸な点です。
一見どうでも良さそうな雑談は、実はCの仕様に迫る切り口だったりします。
例えば、サンダーバード2号が関数ポインタの章で出て来ます。
これが言い得て妙でした。
なお、私はこのくだりを講義で使わせてもらってます。学生の食いつきも良いからね。
もちろんあのテーマを歌いながら。
そこには「知恵」がある
本書はトリビア一つ一つから、著者の豊富な知見がうかがえ、ユーモアに富んだ人間性や世界観が見えて来ます。
以下はリニューアル前のサイトで、私が本書について述べた一文です。
上手く言葉には出来ませんが、一冊の中に何か大きなモノを感じました。
当時は若く「大きなモノ」がよく分かりませんでしたが、今になって感じるのはズバリ
知恵
です。
知恵 = 知識 + 人間性
著者の多方面をカバーした知識、そこにプラスして、ユーモア(毒あり)や人生経験に支えられた人間性。
この相互作用の結果、「独自の世界を持つ」技術書?読み物?でも技術書!
のような一冊、が生まれたのでしょう。
堅く苦しい技術書に飽き飽きした人は、この本でリフレッシュしながら、ぜひ知恵を感じてみて下さい。