ピープルウェアの続編たち
前の記事では、トム・デマルコの代表作ピープルウェアを紹介しました。
まだ読んでない方は、ぜび読んでみて下さい。
さて、デマルコはこれ以外にも優れた書籍をたくさん書いています。
ここでは、私的にピープルウェアの続編と言える、おすすめ2冊を紹介したいと思います。
その1 デッドライン
プロジェクト管理における101の法則を纏めた一冊ですが…
なんと小説として描かれています。なんつー文才だ。
心配せずとも上手く小説になっていて、個性的な登場人物が話を盛り上げてくれます。
ストーリー
リストラされた主人公が謎の女に出会い、架空の国モロビアへ拉致されます。
そこで彼は、巨大な開発プロジェクトのマネジメントを行う事になり…
なかなかぶっ飛んだ導入ですね。
おそらくプロジェクト環境を分かりやすくする為に、面白おかしな国家を用意したのでしょう。
開発が進むにつれ色々イベントが起こり、そこから法則・教訓が導き出されて行きます。
そして本書にも、ピープルウェアの思想は貫かれています。
ただの数字ではない「人」を大切にするデマルコの考えが随所に見られ、読んでいて楽しく、それでいて得るものが多かったです。
その2 ゆとりの法則
本書の原題は「Slack」と言います。
Slackとは、「のろい」とか「怠惰な」などネガティブな意味が多い単語です。
(最近だと例のチャットが思い浮かぶかな…)
しかしデマルコは、Slackこそが組織にとって重要で欠かせない「ゆとり」だと語ります。
具体的な「ゆとり」の例を挙げると、「暇な時間」や「何もしていない時間」が当てはまります。
効率を求め過ぎて「ゆとり」を排除すれば、変化に対応できない組織になる。
デマルコは長年の研究結果から、そう解説します。
だから「ゆとり」は無駄ではなく、健全なものとして有意義に使う必要がある。
すなわち、ただ忙しいだけの組織には未来は無い。
では効果を上げる「ゆとり」とは何か?
それは…以下略
というのが、本書で語られる基本的な考えです。
デマルコは、隙あらばユーモアを混ぜて、ゆとりの活用法を解説してくれます。
私自身も、いくつか耳の痛い話がありました…
毎日毎日忙しいのは何故だろう?
そう思った事があれば、より一層本書が役立つと思います。
なお忙しい人の為に、短時間で読める内容になっています。