もくじ
難しい数式、一切なし!
バージョン:DirectX9 レベル:入門
DirectXの中でも、とりわけグラフィックス・エフェクトに特化した一冊です。
難しい数式、一切なし!
文系でも分かる丁寧な解説が特徴で、難しいと思っていた数学も簡単に見えてきます(マジ)。
かつて私は本書を読んだ時、3Dの基本は結構シンプルだと分かって感激しました。
DirectX特有の長い初期化やイミフな設定も、実に丁寧に解説してくれるのも嬉しいです。
面倒な計算は丸投げだ!
本書の特徴として、真っ先に挙げたいのが、数学の分かりやすさです。
3Dグラフィックスでは、行列やクォータニオンなど数学が必須です。
なんだか大変そうですが、なんと本書には難しい数式が出てきません。
基本理論と使い方だけ説明し、面倒な計算はさっさとDirectXに任せます。
そんなわけで、四則演算さえ出来ればプログラムは理解できます。
結局の所、数学は道具です。
だから使い方を知ってしまえば、計算はDirectXの便利関数に任せれば良いのです。
もちろん全て理解するのがベストですが、初心者はまずゲームを完成させるのが最優先です。
詳しい知識は、後でも問題ありません。
だから本書のスタイルには、とても好感が持てます
数学は道具なんだ!
数学を道具として使う
この考え方は本当に大切です。
実は、私が講義で心がけている事でもあります。
専門学校では、数学嫌いの学生が正直多いです。
そんな時は、まず式だけ組めるように指導しています。
そして面倒な計算はコンピューターにやらせよう!と。
そうやって、数学アレルギーを少しずつ緩和して行くわけです。
「あの」エフェクトが分かる
また本書は入門書ですが、実に多彩なエフェクトが載ってるのも高ポイントです
どれも巷のゲームで頻繁に見かけるエフェクトです。
テクスチャ、アルファブレンドは当然として
- パーティクル(炎や煙の表現)
- ステンシルシャドウ(影)
- モーションブラー(手ブレ)
- マルチパスレンダリング(合成)
- 被写界深度(ピンぼけ)
- バンプマッピング(凸凹表現)
- 環境マッピング(映り込み)
- トゥーンレンダリング(アニメ風の効果)
などなど、ゲームをビジュアル面で強化できるサンプルを豊富に収録しています。
もちろん難しい数式は省略し、DirectX関数の組合せ方を中心とした解説になっています。
プログラミングしなくても楽しい
またタイトルではDirectXと言ってますが、3Dグラフィックス全般の入門としても優れています。
とにかく基本原理の解説が秀逸なので、別にプログラミングしなくても楽しめます。
特にゲーム好きの人なら、ゲーム内でよく見るエフェクトの仕組みが載っているので、他人に自慢?したくなります。
またゲームのグラフィックス設定の意味が分かり、快適なゲームプレイにも役立つでしょう。
DirectXグラフィックスの超入門
DirectXグラフィックス専門の書籍で、ここまで分かりやすいのは驚愕です。
丁寧な解説とシンプルなソースコードで、DirectXの初心者には最適な一冊と言えます。
私は今でも、なにかと講義の参考にしている凄い本です(本当に感謝)。
※価格が高騰してる場合は旧版も( 初版 , 第二版 )あります(内容はほぼ一緒)。
※ここでいう初心者とは「DirectX」の初心者なので、プログラミングはある程度出来る事が前提です。
目安としては、C言語の基礎を理解しているくらい(初級者~中級者)です。
※本書はグラフィックスに特化しているので、サウンド再生などは扱っていません(そらそうだ)。
dxerr9.libを開けないエラーについて
本書のソースコードをVisualStudio2017で開き、アップグレードしたところ以下のエラーが出ました。
fatal error LNK1104: ファイル ‘dxerr9.lib’ を開くことができません。
動かすには、プロジェクトのプロパティ を開き、リンカー → 入力 → 追加の依存ファイル にある
dxerr9.lib を DxErr.lib に修正して下さい。