笑って心がラクになる
この業界で避けて通れないのが、メンタルヘルス(心の健康)の問題です。
私も今まで、精神の問題から体調を崩した人を沢山見てきました。
というか、私自身うつ病で薬のお世話になっています。
メンタルヘルスの知識があると、自分自身やお互いの理解に大変役立ち、心がラクになります。
本書では漫画でメンタルヘルスの基礎が分かります。
とにかくギャグをぶっ放し、それが寒かろうと構わず突っ走る、そんな疾走感あふれる一冊です。
4人に1人は精神を患う
世界精神保健調査によると、日本人の実に4人に1人は、一生の内に何らかの精神疾患にかかります。
4人に1人という数字に、私はかなりビビりました。
メンタルヘルスは想像以上に身近な問題のようです。
だから病気の本人だけでなく、同僚・上司・家族・友人など周囲の人も、正しい知識を得る事は大変重要です。
明日は我が身ですしね。
そして正しい知識があれば予防策や対処法が分かり、個人や組織のリスクを大きく減らせます。
ギャグと抗うつ薬とロリコン
さて、そういった正しい知識をマンガで気軽に学べるのが本書です。
内容はひたすらギャグ路線で、強引にボケてボケ倒すのが特徴です。
そんなノリですが解説は分かりやすく、楽しみながら知識が得られます。
特に抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)について、キャバクラに例えて説明する第9話は必見です。
間違いなく一生忘れないでしょう。
またロリコン(ペドフィリア)に踏み込んだ第4話は、腹筋が崩壊するくらい笑いました。
これを読むと、気安く人をロリ扱いしなくなるでしょう。
漫画なら読める第一歩
あなたがロリコンかどうかはともかく、メンタルの知識は現代社会を生きる上で超必要です。
本書は漫画という読みやすい体裁なので、メンタルヘルスを知る第一歩として、多くの人に読んで欲しいと思います。
あと、うつ病になると脳機能が低下して、活字が理解不能になる事があります。
読めるけど意味が分からない、そんな謎状況に陥るのです。
私も新聞記事すらも理解できなくなり、最初はかなりショックを受けました。
これは経験しないと分かりにくい感覚ですが…
ただそんな時でも、本書のような漫画なら読めるかもしれません。
苦しい時に、漫画で自分が陥っている状況を知り、心の助けとする。
そう考えると、本書の存在意義は意外にデカいと言えますかね。