マヌケから学ぶラリった歴史
見もフタも無い書名ですが、IT業界の歴史を笑いながら学びたい人にオススメです。
やはり成功よりも失敗から学ぶ事が多い!そしていちいち笑える。
IBMのPCジュニアやOS/2、アシュトン・テイトのdBase、マイクロプロのワードスターなど
「トホホなマーケティングや宣伝」のせいで消えていった製品の数々を、当事者の視点からブラックユーモアたっぷりに語った一冊です。
ちょっと古い例えですが「新・電子立国」とモンティパイソンを足して割ったような内容になってます。
頭の中はラリラッパ
かつては隆盛を極めた企業が、ヤクでラリったとしか思えない(本当にそう書いてある)マーケティングを連発する歴史は何度も繰り返されます。
ハイテク業界の失敗は意外にも人間関係に起因する例が多く、ラノベを読むような感覚で笑わせて貰いました。
著者は取り上げた企業の当事者だったケースもあり、知られざる内幕が迫真のユーモア(とリアリティー)で語られています。
たぶん本人は大変だったと思いますが、それを笑い飛ばすメンタルは見習いたいですね。
かつてマイクロソフトのライバルだった会社達は、なぜ崩壊してしまったのか?
その理由は、本書を読めば分かります。
謎の人選
ちなみにそのマイクロソフトもかなりディスられてますが
日本語版のあとがきは、元マイクロソフトの成毛眞氏が書いています。
なんとも皮肉の利いた起用。編集者もノリが良いです。
おまけ:有名人ダーツボード
本書によると、マイクロソフト社内にあるダーツボードは一風変わってます。
なんでもライバル会社の有名人の写真が貼ってあるそうです。
本文中では、その名誉に預かった人物として、マーク・アンドリーセン(ネットスケープ)とフィリップ・カーン(ボーランド)が挙がっていました。
ではその他に、どんな大物がダーツの的になったのか?
私は大変興味をそそられました。
パッと思いつくのは
ラリー・エリソン(オラクル)、スコット・マクネリ(サン)、リーナス・トーバルズ(Linux)あたりでしょうか。
あと、司法省の役人も貼られたかもしれませんね…(反トラスト法関連で)