閃きと発想を伸ばす秘訣
かの名著達人プログラマーのアンドリュー・ハント氏による、プログラマーには欠かせない脳の活性化を扱った一冊です。
ソフトウェアならぬウェットウェア、これは人間の思考法を指します。
本書では、このウェットウェアを改善し、創造性・生産性・さらに人生の質を向上させるテクニックを多数紹介しています。
世間に出回っているライフハック本をあれこれ試すより、本書一冊を何度も読む方が有益なくらい濃い内容になってます。
創造への情熱はあるか?
本書は、科学的な根拠はなくても、著者の経験上で有益だったテクニックを紹介しています。
その内訳は何でもアリアリの様相を呈しており、自由奔放な遊び心溢れる一冊になっています。
脳の構造から始まり
- 右脳と左脳の連携法
- 直感の活用
- 人格とコミュニケーション
- 学習法と計画
- イメージの力
- 瞑想法
- 集中のコントロール
などなど、実に多岐に渡った内容です。
一見すると、うさんくさい自己啓発書の目次にも見えますが?そこは御安心下さい。
アンドリュー・ハント氏は優れたプログラマーだけあって、それぞれの項目には一貫した創造への情熱があります。
つまり新しいものを発想するには、従来の文脈に捕らわれず、何でも試して取り入れる姿勢が必要なんだと。
だから本書は、優秀なプログラマーが創造への試行錯誤を重ねた結果の集大成とも言えます。
我々凡人は感謝してその成果を利用させてもらえば良いわけです。
理由は分からんが効果あればOK
本書には沢山のテクニックが載っています。
その中から自分に合うものを選んで習慣化すれば、生活・仕事・人生に良い変化をもたらします。
私も半信半疑でしたが、マジに効果を実感できました。
例えばモーニングページという方法。
これは簡単に言うと「毎朝ノートに何でも良いから書きまくる」というものです。
面白そうなのでこれを試したら、何故だか分かりませんが直感と閃きが向上しました。
この方法は朝でなくても、頭がフリーズしかかった時にはかなり有効なので、今でもよく実践しています。
瞑想のススメ
もう一つは瞑想法です。
またまた胡散臭さがありますが、別に怪しいオカルトとは関係ありません。
身も蓋もない言い方をすると、瞑想は脳内麻薬を出す方法みたいなものです。
といっても別にハイになるわけではなく、リラックスできる物質を脳に分泌させます。
これができると、ストレスを受け流す感覚が分かってきます。
私はうつ病で色々困っているので、この感覚には大変助けられています。
また瞑想を始めてから語彙力が向上し、ユーモアの引き出しが増えたような気もします。
これは講義で大変役立っています(面白いかどうかは置いておいて)。
論理を外れてみる価値
本書はプログラマーは勿論そうでない人にも、かなり役立つ良書だと私は断言します。
私の経験上ですが、プログラマーは得てして論理的になり過ぎるように感じます。
もちろんコンピューターは論理的に動作するので、それはそれで大事なのですが…
一方で人間の心や社会というのは、論理だけでは成り立っていないものです。
そのため論理的に考え過ぎると、周囲の人や世界と色々な軋轢が生まれてしまう。
そんなケースを何度か見て来ました。
だから本書のような、少し論理から外れた(ように見える)捉え方をしてみるのも、実は大事ではないでしょうか?
そしてそうやって得た知見と、論理を再び融合させる事で、違った人生が見えて来るはずです。
というか人生はその繰り返しであるとさえ思います。
そんな私の講釈はさておき、人生を面白くしたいなら、本書は騙されたと思って読んで欲しい一冊です。